誰かの楽園。

Ｂ子ちゃんとお出掛け。
電車とバスを乗り継いで、山奥のカフェまで。
山奥で家族と犬とやぎと暮らしている人がいる。
野菜を育てて、美味しい料理を作り。
そこに集う人たちがいる、私たちみたいに。
明るくて優しい場所を求めて。
その日溜まりで溶けてしまいそうになる。
だけど、死んでしまう。
彼女みたいになれない私たち。

Ｂ子ちゃんはもうじき、旅立つ。
一緒に働いたこともあったのに、違う場所に彼女の仕事がある。
だけど、近くにいなくても、彼女とは離れない気がする。
長いスパンを超えて巡り会う時があり、
もしかしたらまた同じ現場にいるかも。
そんな人かもしれない。
ＡＢの彼女は欲がない。
どこまでも執着が無さそうで、それは私の欲しいもののひとつである。